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詩と映画と日記

詩と映画と日記

それでも僕はやっていない

監督
周防正行

出演
加瀬亮
瀬戸朝香
山本耕史
もたいまさこ
田中哲司
光石研

『Shall We ダンス?』こんな楽しい映画を撮られた
周防正行監督が一変して
痴漢冤罪というテーマで日本の裁判を問います




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大切な面接の日の朝
加瀬亮が演じるフリーターの青年は
混雑した電車で痴漢と間違えられて
女子中学生の手で私人逮捕されました

(備考) 私人逮捕とは、一般私人によっても許される唯一の逮捕行為
現行犯逮捕、
犯罪の現場にあった犯人若しくはそう断定するに足る人物の逮捕。
逮捕状は必要ない


駅員は現場に居合わせていた女性が
痴漢ではない間違いですと言っているのに
唯一の大事な証人の名前も住所も聞かずに帰し
取り調べるのは自分の職務ではないと
主人公を警察に引き渡してしまいます

警察の取調べは、まったく不条理極まりなく
本人の申し出を頭から全然信用しません

そして留置されて、雑居房に入れられます

そこで古株の男に教えられて
弁護士を依頼しますが

罪を犯したか無実かを聞くよりも先に
当番弁護士イワク

罪を認めて罰金を払えば釈放されるが
無実を訴えれば
繰り返し取調べを受けて留置が長引き
起訴されて裁判になる
そしてこのような裁判が無罪になることは
99.9%ないと語り
暗に罪を認めることを勧めます


何ということでしょう
これが法治国家の弁護士でしょうか
無実を主張する主人公に対しての
駅員の無責任な態度
取調べをする刑事の横暴なこと
人間扱いされない留置場の惨めなこと
無実の訴えてを相手にしない検察官
繰り返される辛い公判

どんなに、やっていないと言っても
それを証明する証拠がありません

やったことを証明するよりも
やっていないことを証明する方が
どれだけ困難なことか

裁判とは無実の人を罪人にしないことと
自分の信念を後輩に教えていた担当の裁判官は
裁判の途中から更迭されてしまいました

何ヶ月も留置されて
長い裁判を苦しみ
保釈金が2.000.000.-
裁判費用は自分持ち

救いは役所広司と瀬戸朝香の
懸命な弁護ですが
裁判とは、こんなものだったのかと
腹立たしく恐ろしく落胆の思いです

正しいことをしていれば
必ず信じてもらえるとは限らず
善意の行いが必ず報いられるものでもない
世の中ではありますが

世の善良な男性諸氏へ
いかに満員電車の中でも
どんなに急いでいる場合でも
周りの女性に疑われるような事のないように
万全のご注意をと警告したいです




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